首輪






 リビングでくつろいだ後、二人は再び渚の部屋に戻った。
 渚は大きめのTシャツ一枚だけで下着は履いておらず、清澄は程よく引き締まった身体にトランクス一枚という格好だ。

「首輪、ですか?」
 清澄が袋から取り出した道具に、渚は目を瞬かせた。
「そう、首輪。ちゃんと渚の名前まで彫ってある」
「あ……じゃあ」
 というより、他に考えられない。
 その首輪は、渚の為の物だった。
「付けるぞ?」
「はい……」
 清澄が渚の首に首輪を回し、それを金具で留めた。
 ドクン、と渚の心音が高鳴った。
 その、首輪が首を締めつける感覚に下腹部が微かに熱を持つ。
 首を下に傾け、その手触りを確かめるように首輪を指で撫でてみた。
「嫌がらないな」
「先輩の番ですし……告白しますと、嬉しいです。先輩からの、初めてのプレゼントですし」
 まだ、首輪を指で撫でていた渚は、本当に嬉しくなり顔が綻んでしまっていた。
 直立する渚の首に、清澄が手を伸ばす。
「ん、似合うな」
「はい、ありがとうございます……あっ」
 股間に清澄のもう一方の手が忍び、思わず小さく声を上げてしまう。
「さっき拭いたばかりなのに、もう溢れてる」
 清澄の言葉通り、まだ何もされていないのに、渚のそこはじっとりと潤いを帯びていた。
「先輩、手を……」
「うん?」
 首輪を撫でていた清澄の手を、渚はTシャツ越しにある自分の控えめな乳房に押し当てた。
「すごく……ドキドキしてます。これ、すごいです。まだ、付けてるだけなのに」
 どんどん溢れてくるのが、自分でも分かった。
「『まだ』って事は、続きがあると思ってる?」
 指を渚の浅瀬で往復させながら、清澄が小さく笑みを浮かべる。
「あります……よね?」
「ああ。じゃあ、まずは手を使わずに舐めてもらおうか」
「はい……でも、上手く出来るかどうか」
 ごく自然に、渚はその場に四つん這いになった。
 フェラチオ自体、今日が初めてだったので、清澄の期待通り悦ばせる事が出来るかどうか不安だったが、それを払拭するように彼は渚の頭を撫でた。
「技術の問題じゃないだろ? そんなのは、後からついてくる」
「……あ、はい……頑張ります」
 身体を伸ばし、トランクスから出された彼のモノに舌を這わせ始める。
 始めてみると最初の不安はあっさり霧散し、ただ目の前の存在だけがすべてになってしまう。
「それでいい」
「くすっ……」
 竿に唾液をまぶしながら、渚は思わず小さく笑ってしまう。
「どうした?」
「初めて……ん…む…先輩と会った時も、同じ事言われたなぁって……」
「一生懸命なのが、好きなんだよ、俺は」
 半ば無意識の行動で、清澄は渚の頭に置いた手で彼女の髪を撫でていた。
 その温もりと動きが、今の渚には心地よい。
「は……ん……あ、先輩……それ、もっと……」
「頭撫でられるの、好きか」
「ふぁい……ん……んう……好き……です……」
 答えながら、反り返る肉棒の裏筋から袋にまで舌先を伸ばしていく。
「……いい子だ」
 愛でるようなその手の動きに、渚は思わず声を出していた。
「……わん」
 その返事に、思わず清澄は口元に笑みを浮かべた。
「そろそろ咥えてくれるか……渚?」
「は、い……ん、んぅ……」
 返事をしながら、渚は従順に清澄のモノをゆっくりと口に含んだ。
 少しずつ頭を進めながら、口の中のモノに舌を絡める。
「さっきより上手くなってる……覚えが早いな」
「は……んむ……ん……くっ……ん……ぅん……」
 口の中に溜まる唾液を処理しきれず、頭を引きまた押すたびに、その滴が顎を伝ってカーペットに染みていく。
 けれど、渚はその事に構っていられない。
 口で呼吸が出来ないので、鼻息を鳴らしながら『主人』に熱心な奉仕を続ける。
 下の口からも唾液とは違う液体が滴るのに恥ずかしさを憶えつつ、渚は口の中を出入りする清澄のモノが最初よりも大きくなってきているのを感じていた。
「とりあえず一回……出す」
 渚の頭に置かれた清澄の手に、力がこもった。
「ん……?」
「ちょっとだけ、我慢しろよ」
 徐々に、だが確実に射精感がせり上がって来るのを堪えながら、清澄は渚の頭を前後させる。
「んぐっ、んっ、んぅっ、んんっ!!」
 乱暴になり過ぎないように、だが押し寄せてくる快感は決して下がらないように、清澄は渚の唇と舌の感触を自分のモノで貪る。
「また、口の中に出すから……な」
 限界に達した清澄が、渚の口の中で動きを止めた。
 渚の口内で、清澄のモノがひときわ膨張したかと思うと、先端から迸った熱い液体が喉奥を強く叩く。
「んんっ……ん……くっ……ん、ぐっ……ん、ふぅ……」
 幸い、最初の白濁液を飲み下せたのがよかったのか、むせそうになるのを堪えながら、次々と口内を満たしていく清澄の体液をやり過ごす事が出来た。
 放出が収まったところで、渚は尿道に残る精液を吸い上げる。
 清澄は、やや柔らかくなった自分自身を渚の口内から引き抜いた。
「渚、辛くなかったか?」
 小さく咳を繰り返しながら、渚は首を振った。
「平気です……ちょっと苦しかったですけど」
 渚はコホッと咳き込み、口の端から滴る精液の残滓を腕で拭った。


 渚の背後で、清澄が同じようにベッドに乗り、スプリングを軋ませた。
「そこに四つん這いになって。俺に見えるように尻を持ち上げるんだ」
「……は、はい」
 言われるまま、清澄によく見えるように渚は腰を浮かせた。
「もう、前戯の必要もないかな……」
 清澄の眼前に、割れ目とその上に息づく窄まりが露わになる。
 指で無造作に割れ目の濡れ具合を確認した清澄は、そこを一気に肉棒で貫いた。
「んぅっ……あああぁぁ……っ!!」
 ギュウッと渚がシーツを掴む。
 それに構わず、清澄は何度も乱暴に腰を叩きつけた。
「本当の犬みたいだな、渚……」
 呟きながら彼女の背中に覆いかぶさると、両手をTシャツの中に忍び込ませ、彼女の乳房を包み込んだ。
「あ……あぁ……」
「もっとも、牡の犬は胸を揉んだりしないけどな」
 渚の耳を舐めながら、手の平で感じる乳首をコロコロと転がす。
 そうしながら、パンパンと激しく腰が打ち付け合う音を室内に響かせた。
「ひぁっ! あ……は、あぁんっ……!」
 清澄に合わせるように、渚も腰を振りたくった。
 声を押さえようともせず、無我夢中で後ろから自分を犯す肉棒の感触に集中した。
「その調子で腰を動かすんだぞ」
「は、ふぁい……ん……はっ……はぁっ……!」
 角度を調節し、自分の最も気持ちのいい部分を清澄のモノで掻いて貰う。
「今の渚は犬だからな。好きなように快楽を貪ればいい」
 耳元で囁かれる一言一言が、渚の脳に刻み込まれる。
「は、い……先輩、そこ……ん、あぁんっ…ん……くっ……ふぁっ」
「ここか?」
 渚の声のトーンが上がっているのに気付いた清澄は、そこを重点的に責め立てた。
 途端に、濡れた肉穴は清澄のモノを強く締め付けてきた。
「あ、はい、そこ、あ、あ、もっといっぱい突いて……ひ、ぅ、ああぁっ!!」
 何を言っているのか自分でも理解できないまま、渚は清澄の言葉通り、正直に自分の欲求に従っていた。
 雁首が肉襞を引っ掻き回し、何度も先端で奥を突かれるたびに、頭の芯にまで強い衝撃が走った。
「首輪は、気に入ってくれたか?」
 そんな声が聞こえたような気がしたので、渚は何度も頷いた。
「ん、あ、はい……あ、あ、先輩、きよ、すみさぁんっ……!!」
 けれど首が上手く動かず、顔がベッドのシーツに埋もれてしまう。
 涙と涎がシーツに付着する。
「それでいい。だが……?」
 腰の動きを強めながら、清澄は首輪に触れた。
 圧倒的な強さで彼女を追い詰めるストロークが、渚に言うべき台詞をごく自然に促していた。
「あぁ……ご、ご主人様ぁ……っ!!」
 叫ぶと同時に、渚は達した。
「ひ、んっ、あっ、あぁっ、あーーーーーっ!!」
 絶叫しながら、渚は清澄が最後の一突きと共に、自分の子宮を大量の精液で満たしていってくれているのを感じていた。
 力尽き、ベッドに突っ伏した渚の背中に、清澄の体重が掛かる。
 清澄は、荒い息を吐きながら渚の髪をくしゃりと掻いた。
「ん……よく、出来たな」
「はっ……あ、はぁ……はぁ……ありがとう……ございます……」
 呟きながら、ゆっくりと渚の意識はフェードアウトしていった。

 股間に異様な感触があった。
「ん……あ、せ、先輩!?」
 目を覚ました渚は、慌てて身体を起こそうとした。
 いつの間にやら自分から離れた清澄が、渚の股間を『後始末』していたのだ。
「はーい、大人しくする。今、綺麗にしてるんだからな」
 清澄は言いながら、秘裂から溢れる精液と愛液の混じったエキスをティッシュで拭っていく。
「じ、自分で出来ますよぉ……」
 恥ずかしさの余り、渚は顔全体が焼けるのではないかと思うほど赤くなってしまう。
 けれど、清澄は渚の首を指差した。
「犬の躾はご主人様の役目」
「は、はいぃ……」
 それを言われると渚はもう、逆らえない。
 拭いても拭いても愛液が溢れてきてキリがないとか散々言われながら、渚は清澄に最後まで股間の処理をされてしまった。


 Tシャツはもう染み込んだ汗で重くなり、使い物にならなくなっていた。
 いっそ、もう一度軽くシャワーでも浴びようかと渚は思ったぐらいだった。
 ベッドの上で正座する渚の首を、胡坐を掻いて彼女と向かい合う清澄が指差した。
「どうする、それ?」
「着けてます。せっかく……その、せんぱ……清澄さんのプレゼントですし」
 それから、もう一度、渚は口の中で「清澄さん」と呟いてみた。
「どうした?」
「清澄さん……かぁ。あはは、何かくすぐったいですね」
 渚は小さく笑った。
「渚」
 清澄も、少し困ったような苦笑を浮かべた。
「はい?」
 ポン、と渚の頭に清澄は手を置いた。
「俺の名前を呼ぶ時が一番恥ずかしそうってのも、複雑な気分だ」
 言いながら、清澄はくすぐったそうにする渚の髪を撫でた。


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