「? 何を読んでるの?」

「通信販売のチラシよ。昨日、うちのポストに突っ込んであったの」

矢島は飯田の手元をちょっと背を伸ばして覗いてみた。

バイブ、ローター、ローション、拘束具、エトセトラ。

大人のおもちゃの通販チラシだった。

「・・・・・・楽しい?」

「ええ、とても」

彼女は振り返った。

清々しい笑顔だった。

「どんな声で鳴いてくれるのかを想像しただけで、自然と笑みが浮かぶのよね」



「どれがいいかしら」

「これなんて、どう?」

「そう? こっちの蝋燭なんて、いいと思わない?」

飯田と飯田妹と飯田母はチラシの内容を真剣に検討し合っている。

「・・・・・・」

どうしよう。

止めなければ、大変な事になる。

しかし、止めたら今すぐこの場で大変な事になりそうな気がした。

本当に、どうしよう。

焦りばかりが増していく。

全身から脂汗を流しながら、矢島はそっと紅茶を啜った。



肩をポンと叩かれた。

矢島の身体はビクリと跳ねた。

リストラ候補の社員の気持ちが、よく分かったような気がした。

「今晩だから」

見上げた飯田の顔は、優しげだった。

チャイムが鳴った。



排泄や嘔吐のように、何かを吐き出すという生理現象には快楽が伴う。

「んっ・・・ふぅっ・・・ぅくっ・・・」

目隠しによる暗闇の中で、矢島は快感から来る涙を止められなかった。

生暖かい液体が頬を伝っていく。

商品番号59のギャグボールによって半開きにされた口内に溜まった唾液も同様だった。

「どう、矢島?」

飯田の声と共に、背中を柔らかな何かが通り過ぎる。

「・・・・・・っ!!」

身体を跳ねさせ、重い唾液が空気穴からこぼれた。

「矢島さん、気持ちよさそう」

飯田の妹、可奈子のどこかうっとりとした呟きと同時に、

肛門を犯す商品番号93の細いアナルバイブが、

ゆっくりと引き抜かれては再び彼の中に収まっていく。

ローションと彼自身から分泌された腸液のお陰で、動きはスムーズだ。

擬似排泄の感覚に、矢島の腰が自然と持ち上がる。

抵抗しようにも商品番号41の皮の手枷で後ろ手に拘束されてはそれも叶わない。

限界まで膨張し、ペニスが痙攣を繰り返す。

しかし、射精には到れない。

「矢島君、辛そうね・・・・・・でも、我慢すればするほど快楽は大きいのよ?」

手首と同じ、商品番号84の皮製ペニス拘束具で縛られた肉棒をさするのは飯田母。

細い指が竿を優しく上下するたびに彼のモノは膨れ上がるが、

そこから解放へは到らない。

排泄や嘔吐のように、何かを吐き出すという生理現象には快楽が伴う。

逆にいえば、吐き出したくても出せない状況は苦痛を伴う。

「矢島」

ぐいっと首が引っ張られた。

首輪から繋がっている手綱を飯田が引っ張ったのだ。

目隠しとギャグボールが外される。

「はぁっ・・・・・・」

久しぶりの新鮮な空気に、矢島は微かな安堵を得た。

尻を突き出した形でうつ伏せになった彼の目の前には、

黒いボンテージに身を包んだ飯田が仁王立ちになっていた。

「どうすればいいか、分かるわね?」

ペットを愛でるように、彼女は矢島の頭を撫でた。

彼女の股間には、商品番号69のペニスバンドが装着されていた。

同じくベッドに立ち上がり、可奈子が姉の隣に並ぶ。

「二人とも、気持ちよくしてあげてね」

矢島の身体を起こしながら、飯田の母は言う。

アナルバイブはまだ嵌められたまま、

硬さを保ったペニスも拘束具によって射精を封印されている。

「私は、こっちを可愛がってあげる」

決して牡汁を放つ事が出来ない肉棒をさすりながら、

彼女は矢島を二人の娘の股間に近づける。

突き出された擬似男根に、矢島は舌を伸ばした。

最初から咥えたりせず、全体に唾液をまぶし、もう一方のモノにも同じ奉仕をする。

「んんっ・・・・・・」

「あっ・・・いいっ・・・」

矢島に舐められるたび、小さく姉妹が喘ぐ。

装着した擬似男根の根元は、彼女達のクリトリスを刺激するようになっていた。

矢島は手が使えないので、頭と舌の動きで何とかするしかない。

「んくっ・・・ぅむっ・・・んん・・・」

ぎこちない動きで肉棒をしゃぶられ、

二人は矢島に悟られない程度に太股を震わせていた。

秘処から漏れた淫液が、細く足を伝ってシーツに滴っていく。

室内に、矢島の唾液の音が大きく響く。

「そ、そろそろ、咥えて下さいね・・・」

我慢できなくなった可奈子が、口唇愛撫されている最中に腰を突き出した。

「んうっ・・・・・・!!」

喉奥に先端が当たった。

矢島は思わず咽そうになったが、かろうじて我慢できた。

「ぅぐっ・・・ん・・・ふぅっ・・・んむぅっ・・・」

飯田母の手淫が徐々に激しくなり、それから気をそらすために、

自然と口の中のモノへと集中せざるを得ない。

口内に唾液が溜まるが、飲み下す余裕などない。

頭が前後するたびに、透明な雫がベッドへと垂れ落ちていった。

「あっ・・・んんっ・・・くっ・・・」

可奈子は下唇を噛んで、快感を堪える。

しかし、徐々に身体の奥の芯は、熱く高まりつつあった。

「矢島、いい表情しているわ」

「そうね。特に苦しさで涙目になっているところなんか、可愛いわね」

母親の同意を得ながら、飯田は軽く手綱を引いた。

「ふぁ・・・・・・」

矢島の口から、可奈子の擬似男根が抜ける。

「・・・・・・」

可奈子は少し残念だったが、彼の口は彼女一人のものではない。

彼の頭が隣の姉に向き、さっきまでの可奈子と同じようにペニスに対して口を開く。

それを眺めながら、ふと可奈子は違和感にとらわれた。

下腹部が熱かった。

愛液が滲み出し、止まらない。

「あぁっ・・・・・・」

それは、飯田も同じだった。

これまでにない快感が、彼女を支配していた。

矢島が自分の股間のモノを舐めるたびに、貫くような刺激が襲ってくる。

もはや、足腰はガタガタでそれを隠す余裕もない。

飯田は矢島の後頭部に手を添えると、激しく彼の頭を前後させた。

ほとんど焦燥感にも似た快感の上昇に、飯田は自分でも腰を振り始めていた。

「んっ・・・ぅんんっ・・・!!」

ほどなくして訪れた絶頂に、彼女は背を仰け反らせた。

「んぅ・・・けほっ」

飯田の手から解放され、口を自由にした矢島は小さく咳き込んだ。

自分の肉棒をさする手も、いつの間にかなくなっている。

周囲を眺めてから、彼は飯田を見上げた。

「やっと、効いてきた?」

「・・・・・・何が?」

「料理の中に混ぜておいた、商品番号108の強力媚薬」

「・・・・・・」

自身の異変の正体を悟った飯田は、熱い吐息を漏らした。

その隣で、可奈子がペタリとへたり込んだ。

ベッドに、愛液の染みがまるでお漏らしのように広がりつつあった。

「あっ・・いやぁ・・・あ、熱いっ・・・」

矢島の後ろでは、飯田母が自分の秘処をいじっていた。

ぬちゃぬちゃと淫らな水音がそこから漏れている。

「商品番号7の極太バイブが僕の鞄の中に入っているよ。ただし一つだけ」

上体を前方に倒しながら、矢島は言った。

ベッドが激しく軋み、二人がベッドから下りていく気配を感じる。

すぐ目の前に、飯田の足のつま先だけがあった。

矢島は、後ろ手に拘束されている手を、スナップを利かせてヒラヒラと振った。

「ねえ、解いてくれるかな? いい加減、痛くなってきたし」



可奈子は先ほどまでの矢島と同じ格好になっていた。

後ろ手に皮の手枷で拘束された状態で、無造作に床にうつ伏せにされている。

犬のように突き出した尻からは、アナルバイブの根元が緩く蠢いていた。

「んぐっ・・・くっ・・・うんんっ・・・」

ギャグボールを噛まされているせいで、くぐもった声しか上げられない。

モーター音は二つ。

一つは菊座を悩ませているバイブ、

もう一つは秘処に埋め込まれたピンクローターだった。

低い音を立てながら、彼女のまだ男を知らない膣内をじわじわと責め立てていた。

いくら腰を振ったところで、

どちらもガムテープで栓をされているので逃れる事は出来ない。

とろとろと弱火のような責め苦は、

彼女を決して絶頂へは導こうとはしない。

その隣で、飯田の母は壁にもたれ、足をM字に開いていた。

両手まで淫水にまみれさせながら、

自分の秘処に激しく極太バイブを出し入れさせていた。

「は・・・あぁっ・・・あああぁぁっ・・・!!」

足の先をきゅっと丸めながら、彼女は十何度目かの絶頂を迎えた。

しかし、まだ足りない。

「んんっ・・・・・・!」

根元まで埋め込まれたバイブを引き抜きながら、彼女はバイブの抽送を再開する。

母娘の前方、ベッドに腰掛けた矢島は、二人によく見えるように背面座位で飯田を貫いていた。

「っ・・・・・・!!」

今しがた、母と同時に絶頂を迎えた飯田は、休みない快楽に小さく声を上げる。

「どうしよう」

「何が・・・・・・?」

矢島の呟きに、喘いでいた飯田は首だけで振り返った。

身体が上下するたびに、髪が揺れる。

「こういう展開の場合、あの二人も相手するべきなのかな」

「その前に、搾り取るわ」

矢島の口が飯田の唇に塞がれる。

舌を絡ませあいながら、矢島は彼女の膣内で三度目の射精を迎えた。



※ ●さんのファンに殺されるかもしれん二次創作。
 私にM属性がない事を改めて認識しました。
 あと、途中からどうしても私の文体になってしまいます。いや、最初から似てないといわれると返す言葉もありませんが。



板。








隠しあとがき。

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