週末のスウィート・ホーム
第一話 玄関で






「じゃあ、まずは私の部屋に行きますか?」
「いや」
 清澄は靴も脱がないまま、玄関で足を止めた。
「ここでしよう」
「ここ?」
 渚が振り返った。
「ここ」
 清澄は、床を指差した。
「つまり最初のリクエストは『玄関でする』だよ」
 清澄は、固まる渚の身体に腕を回して引き寄せた。
「……あ」
 背後から、渚を包み込むように抱きしめる。
「そもそも、普通にエッチするなら家じゃなくてもいいんだし。最初に相談した時、決めただろ? お互いの願望は正直に。それに、どうせするなら普段出来ない事の方がいい」
「はい……」
 渚は直立の姿勢で清澄の腕の中に収まったまま、いよいよ始まる行為への期待に、身体を小刻みに震わせていた。
「それに、服着たままってのもマニアックでいいだろ?」
「は、はい……あの」
 渚が首を捻ったまま、清澄に顔を寄せてくる。
「ん」
 口付ける。
 舌を絡めながら、手先を駆使してコートの留め金を外していく。
「あ…んっ…私、やりますから……」
 身をよじる渚を、清澄は強引に制した。
「いい。楽しみが減る」
 コートの前をはだけ、服の中に手を突っ込む。
「このまま……」
「は、い……んうっ!」
 ブラを強引にたくし上げ、乳首をつまむと渚の身体が勢いよく仰け反った。
 指先で先端を弄くりながら、もう一方の手を下へと伸ばしていく。
「もっと強く?」
「はい……お願いします」
 目に涙を浮かべながら、それでも頷く渚。
 スカートの中に手を入れると、そこはもうしっとりと湿っていた。指で押すと、水に浸したスポンジのように愛液が滲み出してくる。
 胸に触れただけでは、こんなにはならない。
「いつからだ?」
「今日は、その……ずっとで……」
「うん」
「休み時間のたびに、トイレで拭いてました……帰りも期待でいっぱいで……」
 その台詞を聞いて、清澄の股間も見る見るうちに昂ぶっていく。
「そんなに、楽しみにしてたのか?」
「はい……」
 清澄はパンティを下げると、渚を玄関に四つん這いにさせた。
「あっ……」
 スカートを捲り上げると太股を透明な雫が幾筋も流れ、靴下にも染みが出来ていた。
 恥ずかしい穴を指で押し広げると、中に溜まった大量の愛液がまた、こぼれ落ちた。
「もう、このままいけるな」
「はい……お願いします。先輩のを……奥まで突き入れてください」
「ああ」
 清澄はジッパーを下ろし、自分のモノを取り出した。
 先走りの液が渚の愛液と混じって糸を引いた。
「んんっ……は…ぁっ……は、早く……」
 音が鳴るほどの愛液を押し出しながら、清澄のモノが渚の恥穴を貫いていく。
 まだ全然使い込まれていない渚のそこは、潤った状態でも清澄のモノをきつく締め上げてくる。
 が、構わず清澄は渚の腰に手を固定させ、抽送を開始した。
「あっ、ああっ…ん、あっ……あぁっ!」
 引き抜かれ、貫かれる度に渚のそこからはジュブジュブと大量の愛液が掻き出されていた。垂れ落ちた淫蜜が、玄関に水たまりを作っていく。
「いつも通る玄関で犯されてる気分はどうだ?」
「は、はひっ……いい、いいの…気持ちいいですっ!」
 渚の頭に、いつも自分を見送る母親の光景が甦る。
 逆に、父親が会社に出勤する光景も。
 山住家の人間が、ごく当たり前に通る空間で、自分はこんな淫らなことをしている。その想像が、渚の感度をどんどん高めていく。
 そして、自身を貫く清澄のモノを咥え込もうとさらに、締め付けをきつくしていく。
「そういえば……玄関の鍵は開いたままだ。万が一家族の誰かが帰ってきたら……驚くだろうな。自分の娘が、こんなところで…こんないやらしい事をしてるなんてな」
 息を上げながら、清澄が渚を挑発した。
 そして、その期待通りに、渚の心臓が跳ね上がる。
 そんな事は九十九パーセントありえない。
 けど、その『もし』が現実となったらと、一瞬でも考えてしまった。それはもう、渚の心を魅了していた。
 後ろから、犬のように犯されて悦んでいる自分。玄関を開けたら真っ先に目に入るのは、先輩のを咥え込んでいる自分のいやらしい穴だ。
「あ、あぁっ、せ、先輩、も、もっと、もっとお願いします」
 渚は自分から腰を振りながら、清澄におねだりする。
「それは、次のリクエストか?」
 渚は髪を振り乱しながら、否定した。
「ちがっ、違います……やっ、私の番、取らないで……」
「分かってるさ。まだ、俺の番だ…もう…たっぷり注ぎ込んでやるからな」
 切羽詰った声を上げながら、清澄の腰がスパートを掛ける。
「はひっ……お、お願いします……先輩の熱いの…いっぱい下さいっ!」
 何度も奥を突かれ、渚は玄関のカーペットをギュッと握り締めた。
「おうっ、くれてやる。渚の穴から溢れ出すぐらい、出してやるっ!」
 清澄の手が服の中に潜り込み、ギュウッと胸を揉み上げた。手の平の中で、小さな乳首が圧迫される。
 同時に渚の中に埋まった清澄のモノが、極限まで膨張を遂げた。
「あ、あ、あ、あぁっ……先輩、先輩……私、あ、あ、あああぁぁっ!!」
「んぅっ……!」
 身体を震わせる渚の中へ、清澄は衝動のままに精液を送り込み始めた。
「は、ぁ……はあぁ……」
 渚はカーペットに頬を当てながら、お腹の中に熱い液体が広がっていく甘い感覚を噛み締めていた。
「ん……」
 清澄はゆっくりと腰を引いた。
 愛液でヌラヌラになったモノが引き抜かれると、渚の秘処はほんの一瞬黒い穴を覗かせ、そこからゴボリと白濁液を吐き出した。

 清澄は自分のモノと渚の股間をティッシュで清めた。
「大丈夫か?」
 渚の両脇に手を差し込んで立たせる。
 まだおぼつかないのか、渚の体が清澄にもたれかかってきた。
「ふぁい、何とか……でも、いきなり来るなんて思いませんでした」
「嫌だったか?」
 渚は首を振った。
「それこそ、まさかです。ありがとうございます」
「次はどうする? 俺はすぐでも大丈夫だが……」
 ま、本音を言えばもうちょっと余裕を持ちたいところだった。
「じゃ、私の部屋に案内します。そこで、お願いしますから」
 ようやく身体が持ち直したのか、渚は清澄から離れた。
「分かった。じゃあ、行こうか」
「はい」


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