Hanger-on life






 父さんの海外赴任が決定し、外国へ行く事になった僕、武田功一(たけだ こういち)。
 それを知って、泣いて喚いて引きこもってハンストを起こした二歳年上の神宮寺澄乃(じんぐうじ すみの)姉ちゃん。
 で、日本に残って暮らせる場所から編入先の学校まで、まず外堀から埋めてうちの両親を説得してくれた、神宮寺美奈穂(じんぐうじ みなほ)叔母さん。


 以上が、僕が神宮司家にお世話になる簡単な経緯と登場人物。
 今まで通っていた中学校に最後のお別れをして自宅の荷物を完全にまとめると、その日の夕方、僕は神宮司家の門をくぐった。


 僕の実家も一軒家だったけど、この家は『屋敷』だった。
 玄関だけで、僕の部屋ぐらいの広さがあった。
 相変わらず凄いな、この家は……。
「こ、こんにちはー」
 僕が声を張り上げると、勢いよく階段を駆け下りて来る音が響いた。
「いらっしゃい、功ちゃん!」
「うわっ!」
 黒い髪をなびかせながら抱きついてきた澄乃姉ちゃんを、僕は踏ん張って何とか抱きとめた。
「か、身体の具合はどう、澄乃姉ちゃん……」
「心配してくれてたの? ありがと。でももう全然平気。今じゃ、ご飯三杯は軽くいけてるよっ」
 僕に抱きついたまま、小さくガッツポーズ。
 今日の澄乃姉ちゃんは、やけにテンションが高いみたいだった。
 切れ長の瞳がクールな印象を受ける、ちょっと見、大人しそうな人なんだけど。
「そ、そう……そりゃよかった」
 何せ原因が僕にあったらしいので、やつれてないか気になっていたのだ。会いたかったんだけど、微妙に僕の実家からは遠くて、事件の最中に会う事は叶わなかった。
 しかし、今はもう全く大丈夫のようだった。
「でも、あんまり食べると太るわよー?」
 澄乃姉ちゃんの背後から、声が聞こえてきた。
「平気よ。ちゃんと、運動してるもん」
 澄乃姉ちゃんが、背後に向かってベーっと舌を出す。
 そこには、澄乃姉ちゃんをそのまま大人にしたような女性が立っていた。
 違う点といえば、顔つきが大人っぽいのと、澄乃姉ちゃんがスレンダーならこちらはグラマーで、澄乃姉ちゃんの長い黒髪がボブカットになっているという点ぐらいだろうか。
「美奈穂さん、こ、こんにちは」
 その女性、神宮司美奈穂さんは、ニッコリと微笑んだ。
「いらっしゃい、功一君。でも今度からは、『こんにちは』じゃなくて『ただいま』にしてくれると、嬉しいわね」
「は、はい」
「でもねぇ、澄乃ったら功一君が外国に行くって話を聞いたら、まるでミイラみたいになっちゃってたのよ。そりゃもう、『これが本当に私の娘!?』って驚くぐらいの変貌ぶりだったの」
「マ、ママ! そ、そういう事は言わないの!」
 そこまで酷かったのか……。
 でも、今の澄乃姉ちゃんは、前と変わらないように見えた。
 つまり、相変わらず、その……綺麗だった。
 僕に密着した澄乃姉ちゃんの身体も、痩せたようには感じられない。色白なのは相変わらずだけど、不健康な印象はまったくない。
「ん? どうしたの?」
 無警戒な切れ長の瞳が、僕の顔を覗き込む。
「あ、ううん、何でもないよ」
 僕は首を振った。
「ほら、澄乃もいい加減、功一君から離れて。歩きにくいでしょ?」
「はぁい……」
 なんだか名残惜しそうに、僕から離れる澄乃姉ちゃん。
「それじゃ、ご飯にしましょうか? 今日はご馳走よー」
 勢いよく腕を上げて食堂に向かう美奈穂さんに、僕と澄乃姉ちゃんは付いていった。


「……えーと」
 食卓に並べられた料理を一通り眺め終えると、僕の額を冷や汗が流れた。
 スープ三品、麺料理四品、魚料理五品、肉料理六品。
 さらに、飲み物が数種(アルコール含む)、とどめとばかりにご飯とパンとナンが置かれていた。
「どう考えても、三人で食べ切れる量じゃないわよねー、これは」
 苦笑混じりに言う美奈穂さん。
 そして。
「えへへー。ちょっと作りすぎちゃったね」
 原因はやはりこの人、僕の隣に座っている澄乃姉ちゃんだった。
「ま、私も原因の一端ではあるんだけどね」
 美奈穂さんが肩を竦め、ぺロッと小さく舌を出した。
「功一君が来るって聞いて、お手伝いさん休ませて、二人で張り切っちゃったの」
「ねー」と声を揃えて顔を見合わせる、美奈穂さんと澄乃姉ちゃん。こうしてみると、親子というより、まるで姉妹のようだった。
 実際、美奈穂さんはまだ二十代で……下手すれば女子大生ぐらいに見えない事もないぐらい若々しい。
 とはいえ。
「学校の方はもう準備万端よ。でも、転入生だから少し早い目に来た方がいいわね。担任の先生との顔合わせもある事だし」
「うん……じゃなくて、はい」
「うふふ。学校の外だから、『うん』でいいわよ、功一君」
「あ、う、うん」
「ふふっ……」
 本当の美奈穂さんは教わる側ではなく教える側だ。
 明後日から通う学園の学園長を務めている。
 綺麗な上に頭もいいし……すごい人だよなぁ。
 僕が初恋の女性に見惚れていると、澄乃姉ちゃんにむにっと頬をつままれた。
「……澄乃姉ちゃん、ひたいよ」
 心なし唇を尖らせた表情で、澄乃姉ちゃんが僕を睨んだ。
「わたしだって、すぐにママみたいに綺麗になるんだからね?」
「あー、うん」
 僕は、とりあえず頷いておいた。
「あんまり嬉しく無さそう」
 澄乃姉ちゃんは非常に鋭かった。
「ん、んーと、その、何て言うかな……」
 僕は、澄乃姉ちゃんを怒らせないように、言葉を選んだ。
「……澄乃姉ちゃんは……そのままでいいと思うんだけど。美奈穂さんは美奈穂さんだし、澄乃姉ちゃんは澄乃姉ちゃんだから……と思うんだけど、どう、かな?」
 ……何故か、澄乃姉ちゃんは真っ赤になって、頬を解放してくれた。
 それからあたふたと何やら手の所在に迷い、結局膝の上に落ち着いたようだった。
「えへへー」
 澄乃姉ちゃんは、恥ずかしそうに笑みを浮かべるとフォークで肉を一片突き刺した。
「功ちゃん、食べさしたげる」
 ……。
 僕は、美奈穂さんを見た。
「どうぞ?」
 にっこり。
 そして、澄乃姉ちゃん。
「はい、あーん」
 嬉しそうに肉を差し出したまま、僕が口を開くのを待っている。
 とても、拒める雰囲気じゃなかった。
「あ、あーん……」
 肉が口内に放り込まれる。
「おいしい?」
「う、うん、おいしいよ……」
 正直、緊張して味が良く分からないんだけど。
「じゃ、私も、あーん」
 ……。
 横を見ると、フォークに突き刺さった魚の白身。
「……美奈穂さんまで」
「はい、あーん、は?」
「はい」
 パクリ。
「じゃ、次はわたしの番ね? 功ちゃん、こっち向いて?」
「う、うん」
 ……。
 結局、食事が終わるまで、僕自身のナイフやフォークが使われる事は一回もなかった。

「ふぅー……」
 足を長く伸ばして湯船に浸かる。
「すごいなぁ、ここも……」
 まるで銭湯のような広さ。湯船自体も、泳げるほど大きい。
「さすがにしないけどさ……」
「別に泳いでも、叱らないよ?」
「……」
「どうかした?」
「……一緒に入るっていうのは、計算外だったって事」
 背中を流しに来るって可能性は、考えてたんだけどなぁ。
「もちろん、ちゃんと背中も流すよ?」
 湯舟から出た澄乃姉ちゃんは、白いワンピースの水着を着ていた。
 とはいえ、抜群のスタイルは、当然ながらそんな水着の上からでも充分分かった。
「さ、いつでもどうぞ?」
 澄乃姉ちゃんは、スポンジに石鹸で泡立てて、僕が出るのを待った。
 にっこり。
 いや、いつでもと言われても。
「ちょ、ちょっと待ってね」
 自分自身を鎮めるために、少し時間が要るみたいだった。
「……?」
 澄乃姉ちゃんは少し首を傾げ、
「……!」
 察したのか、恥ずかしそうに顔を俯けた。
「あ、あのね、功ちゃん……」
「う、うん」
「その、えっと、あんまり長くお風呂入ってると、のぼせちゃうから、なるべく早くね?」
「ど、努力します……」
 その時、脱衣所の方から、美奈穂さんの声が響いてきた。
『あのー、二人ともー、結構長いけど大丈夫ー?』
「だ、大丈夫です!」
「だ、大丈夫よ、ママ!」
 僕と澄乃姉ちゃんは声を揃えた。
『なら、いいけどー。あ、そうだ澄乃ー。功一君の背中は澄乃が流すんだから、私は澄乃の背中、流したげよっかー?』
「あ、そ、それ困るー」
 澄乃姉ちゃんは、脱衣所と僕を交互に見ながら声を出した。
「功ちゃん、お風呂から出られなくなって、のぼせちゃうから駄目ー」
「……」
 ひ、否定出来なかった。


 部屋にはベッドに本棚、勉強机が用意されていた。
 それと、家から持ち出した私物の入ったダンボールが幾つか積み重ねられている。
「……何か異様に長い一日だったような気がする」
 それも、後半から。
 後はもう寝るだけだ。
 僕はベッドに大の字になった。
 途端に、ノックの音がした。
「はい?」
 僕が扉を開くと、そこには大きな枕を抱えた澄乃姉ちゃんが立っていた。
「功ちゃん、明日から使う教科書持ってきたよ」
「あ、ありがとう……で、その枕は一体何?」
 僕が教科書を受け取ると、澄乃姉ちゃんは不安そうな顔をした。
「……一緒に寝ちゃ、駄目?」
「駄目じゃないけど……」
 澄乃姉ちゃんの顔が、パァッと明るくなる。
「じゃ、決まり。お邪魔しまーす♪」
 問答無用で押し切られた。
 三十分後。
 暗くなった部屋のベッドで、僕の胴に腕を巻きつけるようにして澄乃姉ちゃんは眠っていた。
 で。
「……」
 僕の目は冴えまくっていた。
 はっきり言って、全然眠れない。
 腕に乗っかった澄乃姉ちゃんの頭と、脇腹に押し付けられた柔らかい膨らみに、どうしても意識が行ってしまう。
 ……っていうか澄乃姉ちゃん、持って来た枕、全然意味ないし。
「功ちゃん」
「……っ!?」
 急に声を掛けられ、僕はびっくりした。
「功ちゃん、起きてる?」
「……うん」
「少し、話していい?」
「いいけど……」
 僕は、横になりながら澄乃姉ちゃんを向き合う形をとった。
 しおらしい表情をした澄乃姉ちゃんの顔が、間近になる。
「ごめんね、功ちゃん……」
「何が?」
「子供みたいにわがまま言って、功ちゃん困らせて……伯父さんとか、伯母さんにもいっぱい迷惑かけちゃった。で、でもね、なのに今、わたしのすぐ近くに功ちゃんがいるのが嬉しくて……。悪い事しちゃったのに喜んでるなんて、悪い事だよね」
「うん……」
「ごめんね」
 澄乃姉ちゃんが、僕の腕に顔を埋める。
 僕は、その澄乃姉ちゃんをなるべく優しく抱きしめた。
「でも、よくない事だけど、僕も嬉しいよ」
「え?」
 澄乃姉ちゃんは、ちょっと涙目になった顔を上げた。
「だって、僕一人じゃこっちに残れなかったしね。だから、僕の方はありがとう。これからも、ずっといられるんだよね」
「う、うん、ずっと一緒だよ……」
 澄乃姉ちゃんが寄せてきた顔に、僕の方からも唇を重ねた。
「功ちゃん、一つお願いしていい?」
「うん、何……?」
「わたしの初めて、もらってくれる?」
 言うと同時に、澄乃姉ちゃんが仰向けの僕に覆い被さった。
「す、澄乃姉ちゃん……?」
「証が欲しいの……わたしが、功ちゃんの物だっていう確かな証」
「澄乃姉ちゃんは物じゃ――」
 最後まで言うより前に、澄乃姉ちゃんに唇を塞がれた。
「わたしが、なりたいの……功ちゃんの占有物に」
 もう一度、軽いキス。
 そして、澄乃姉ちゃんは、自分のパジャマのボタンを一つ一つ外していった。
「いいよね、功ちゃん……」
 薄い光の中で、澄乃姉ちゃんの白い肌が露わになる。
「……うん、分かったよ」
 僕は手を伸ばして、澄乃姉ちゃんの清潔な白い下着に包まれた胸を掴んだ。
「あ……」
 手の中に、ふにふにと柔らかい感触が伝わってくるのにあわせて、澄乃姉ちゃんが小さく身をよじる。けど、決して逃げようとはしない。
「ん……もっと強くしてもいいよ……」
「うん、こう……?」
 僕はブラのホックを外すと、直に胸を揉み立てた。
「はっ…あ……いいよ、功ちゃん……気持ちい……ん、んうっ!」
 乳首を指で弄ると、澄乃姉ちゃんが大きく跳ねた。けど、僕はその手を休めず胸を責め続ける。
「功ちゃん、わたしもぉ……」
 半分背筋を反り返らせていた澄乃姉ちゃんが、後ろ手で僕の股間に触れてきた。
「ん、くぅん……き、気持ちいいの、功ちゃん?」
「うん、いい……すごくいいよ」
「じゃあ、もっと、よくしてあげる……」
 澄乃姉ちゃんは僕の手を胸から外すと、身体を反転させた。
「功ちゃん…一緒に、気持ちよくなろ……?」
 股間が外気に晒される感覚。
「これが、功ちゃんのなんだ……」
 続いてやって来た、温かく柔らかな感覚に僕は危うく発射しそうになった。澄乃姉ちゃんの舌はまるで遠慮なく、僕のモノを這い回っていた。時々歯が立つと、澄乃姉ちゃんはすぐにそれに気付いてそこを癒すように、ペロペロと舐めしゃぶる。
「んっ……うんっ…功ちゃん、気持ちいい……?」
「ん、うんっ……すごいよ、澄乃姉ちゃん……っ!」
「よかった…勉強した甲斐があったよ。ね、功ちゃんも……わたしのに、して?」
 僕も、目の前にあるパジャマのズボンに手を掛けた。
 澄乃姉ちゃんに腰を浮かせてズボンを脱がすのを手伝ってもらいながら、下着ごとずり下ろし、薄い恥毛に覆われたアソコを剥き出しにする。澄乃姉ちゃんのそこは、割れ目から溢れた液でもう濡れているみたいだった。
「ご、ごめんね……はしたないお姉ちゃんで……」
「どうして? 可愛いよ、澄乃姉ちゃん……」
 指で割れ目を開くと、液はさらに溢れ出した。ピンク色の粘膜が、ヒクヒクと痙攣を繰り返す。
「すごい……」
 僕は呟き、ごく自然にそこに舌をつけていた。
「ひんっ! あ……こ、功ちゃん…そ、そんなの…汚いよぉ……」
 澄乃姉ちゃんが腰を浮かせようとするのを、僕は両手でがっちり固定して逃がさないようにした。舌先で割れ目を舐めると、透明な蜜がトロトロと口の中に入り込んでくる。
 それを飲み下すのに、汚いとは思わなかった。
「こ、功ちゃん、すごいよぉ……自分でするのと…全然違うっ……ん、あぁっ!」
 大きくお尻の肉を割って、小さな突起からお尻の穴まで一気に舐め上げると、澄乃姉ちゃんは僕の上で身悶えた。とても僕のモノを舐めていられる状態じゃないらしく、手で握り締めるのが精一杯のようだった。
「澄乃姉ちゃんも……」
「ぁ、うん……ごめんれ……」
 熱い粘膜に僕のモノが包まれる感覚。
「んむっ……ん、はぅっ……んくっ……」
 唾液の音と共に、その粘膜が激しく上下する。僕は、自分のモノがさらに大きくなるのを感じながら、さらに澄乃姉ちゃんを責め立てた。
 舌先を尖らせて、澄乃姉ちゃんの割れ目に突き入れた。
「んうぅっ……!」
 澄乃姉ちゃんの腰が、ビクッと跳ねる。
 でも、逃がさない。
 そのまま、割れ目を掻き混ぜるように舌先を動かす。
「んうっ、んっ、んぁっ、あ、ああぁっ!」
 澄乃姉ちゃんは、僕のモノを慰めているどころじゃないみたいだった。
 けど、僕は構わず舌を動かし続ける。
「あ、あっ、功ちゃん、あ、わたし、も、もうっ……」
「うん、このまま……澄乃姉ちゃんの恥ずかしいとこ、見せて……」
「ん、んぅっ……あっ、は、はいっ……!」
 澄乃姉ちゃんが、何度も頷く。
 僕は激しく舌を出し入れした。舌だけでは飽き足らず、指先まで動員して澄乃姉ちゃんを導いていく。
「ふぁ…あ、はあっ、んぁっ!」
 指で突起を撫でると、澄乃姉ちゃんの声のトーンが一つ高く上がった。
「あっ、ああっ、ふあぁっ、あーーーーーっ!!」
 ビクン、と澄乃姉ちゃんの身体が震え、割れ目から液の飛沫が小さく僕の顔を濡らした。ビクビクと何度も痙攣を繰り返し、力尽きた澄乃姉ちゃんの身体は、急に体重が増したように感じられた。
「は、あっ……あっ……功ちゃん……はー……すごかった……ごめんね……」
「……何が?」
「わたしだけ、気持ちよくなって……」
 澄乃姉ちゃんが、握り締めた僕のモノに小さくキスする。
 そして、ゆっくりと身体を起こして反転させた。
「次は、功ちゃんの番……だから、ね?」
 澄乃姉ちゃんは、目に涙を浮かべながら微笑んだ。
「す、澄乃姉ちゃん……でも、大丈夫……?」
「へーき。功ちゃんの事、愛してるもん」
 ガクガクと震える膝で必死に身体を支え、澄乃姉ちゃんは僕のモノを自分に突き入れようとする。
 ……僕は澄乃姉ちゃんの脇に両手を差し入れ、その身体を支えた。
「ありがと」
 僕の先が、澄乃姉ちゃんの割れ目に当たった。
「んうぅっ……!」
 澄乃姉ちゃんが眉をしかめながら、力一杯腰を落とした。
 僕のモノが一気に澄乃姉ちゃんに入り込み、かすかな抵抗を感じてから行き止まりに到達する。
「あ、ああぁっ……は、あ……あ……」
 ポタ、ポタ、と澄乃姉ちゃんの涙と涎が、僕の胸に滴り落ちた。
「動かない方がいいよ」
「うんっ……」
 僕が言うと、澄乃姉ちゃんは覆い被さるようにキスしてきた。鼻息を荒くしながら、何度もキスを繰り返してくる澄乃姉ちゃんに、僕は逆らわず身を委ねた。
「……痛い?」
「痛いよぉ……すごく……でも、嬉しいの……」
「うん……僕も嬉しいよ」
 濡れた肉が僕のモノを力強く締め付ける。
 しばらくしてから、澄乃姉ちゃんはゆっくりと身体を起こした。
「動くね……?」
「大丈夫?」
 僕の問いに、澄乃姉ちゃんは微笑んだ。
「わたしが、動きたいの……んんっ!」
 とはいっても、やっぱり痛そうだった。
 ……僕は腕を伸ばして、繋がっている部分に指を忍ばせた。
「あっ……こ、功ちゃん…? は……あっ! んうぅっ!」
 肉の突起を撫でると、澄乃姉ちゃんは小さく背を仰け反らせた。
「まだ、痛い……?」
「痛い……けど、功ちゃんの指は…ん…そのまま続けて…」
「うん……」
 指を往復させると、見る見るうちにお腹の辺りまで水たまりが出来てきた。
「ふぁっ、い、いい……いいよぉ、功ちゃん……」
 頭の中がとろけそうな声で、僕に訴えてくる澄乃姉ちゃん。
「う、んっ……澄乃姉ちゃんのあそこも……すごく締まって……気持ちいいよ……」
「よかった…ぁっ…功ちゃん、わたしにも……んっ…んあ……あぅんっ!」
 僕も腰を突き上げ始めると、澄乃姉ちゃんは黒髪を振り乱して悶えはじめる。
 こう、かな……?
「ん! ん! んんっ! うん、いい、いいの、功ちゃん……すごいのぉっ……!」
 澄乃姉ちゃんが動くたび、肌に浮かんだ汗がきらめきながら周囲に飛び散る。僕と目が合うたびに、少し恥ずかしそうにする姿が、凄く可愛かった。
「もっと……?」
「うん、もっと! ん、欲しいの! 功ちゃんの……ちょうだい!」
「うんっ」
 澄乃姉ちゃんのおねだりに応えて、僕はさらに突き上げを激しくする。
「あ、あぁっ! 感じる……功ちゃんの、お腹のなかで、いっぱいなの……!」
 澄乃姉ちゃんも、ほとんど痛みを忘れたみたいに、一生懸命腰を揺すってくれる。
 次第に、僕の腰の動きと澄乃姉ちゃんの腰の動きが一致し始めていた。
 それと同時に、僕は自分の中で熱い塊が競り上がってきているのを感じていた。
「す、澄乃姉ちゃん……も、もう出ちゃうよ……っ」
「うん……いいよっ。わたしの中……功ちゃんので、いっぱいにして!」
「ん、あ、あぁっ、で、出るよっ!」
 僕は最後に思いっきり澄乃姉ちゃんの中を突き上げると、これまで溜まっていたものを噴き出した。
「ふあっ、あ、あぁっ、あああぁぁっ!」
 同時に、澄乃姉ちゃんも背筋を大きく仰け反らせながら果てた。
「まだ、まだ出るよ……澄乃姉ちゃん……」
 僕のモノは何度も脈打ちながら、澄乃姉ちゃんの中に精液を注ぎ続けた。
「ふぁっ、う、うんっ…は、ぁ…功ちゃんの熱いのいっぱい、いっぱい出てるよぉ……」
 そして、力尽きた澄乃姉ちゃんが、再び僕にしなだれかかってくる。
 僕は、その頬にキスをし……澄乃姉ちゃん抱きしめたまま、身体を起こした。
「あ……っ?」
 驚く、澄乃姉ちゃん。
「そ、その、ごめん、澄乃姉ちゃん。……あの、まだ、大丈夫?」
 澄乃姉ちゃんを優しく仰向けにしながら、僕は尋ねた。
「う、うん……功ちゃんの、まだこんなに元気なの……?」
 澄乃姉ちゃんは首筋まで真っ赤になりながら、繋がったままの箇所を見た。
 そこは、澄乃姉ちゃん自身の蜜と処女の血と僕の白濁液ですごい状態になっていた。
 けど、僕の元気なままのそれは、むしろそれを見て興奮し、さらに活力を取り戻していた。
「ごめん……」
 そんな僕に、澄乃姉ちゃんはキスしてくれた。
「ううん、いいよ。いっぱい、いっぱい愛してね、功ちゃん……♪」
「う、うん……」
 ……結局この夜、初めてなのに僕は中に三回、口で清めてくれた時に一回、澄乃姉ちゃんに注ぎ込んだ。


 ……翌朝、朝食の席。
 満面の笑みを浮かべながら、フォークに突き刺したウインナーを僕に差し出す澄乃姉ちゃん。
「功ちゃん、はい、あーん♪」
「う、うん……あ、あーん」
 そして、それを食べる僕。
 さらに。
「その様子だと、昨日は成功したみたいね?」
 にこやかな表情で、さらにおかずをテーブルに並べていく美奈穂さん。……澄乃姉ちゃんを止める気は、微塵もないらしい。
 しかも、全部バレてるっぽい。
「ん、もうバッチリ!」
 澄乃姉ちゃんはピースサインを決めた。
「す、澄乃姉ちゃん、恥ずかしいよ……」
「気にしない気にしない」
 ギューッと僕を抱きしめてくる。
 う、嬉しいけど……頼むから、外ではやめて欲しい。
「そう、それはよかったわ。じゃあ、次からは私も遠慮なく功一君と出来るわね」
「……へ?」
 僕に抱きついたまま、目を瞬かせる澄乃姉ちゃん。
 それは僕も同じだった。
 あの……『出来る』って、それは一体どういう……?
「あらー、澄乃ったらまだ気付かないの? そりゃ澄乃の事は可愛いし絶食した時は心配だったけど、だからって、ごり押ししてまで功一君を日本に居座らせたりはしないわよ」
「「はぁ?」」
 声をそろえる僕達に、美奈穂さんは腰に手を当てて言葉を続ける。
 まるで教師みたいだ。いや、現役の教師なんだけど。
「だーからー、その気になれば功一君の家族に、澄乃をくっつけてく事だって出来たじゃない。生活費ぐらい余裕で送れるし。でも、それだと私が困る。お仕事あるもんね」
「は、はぁ……」
 分かるけど、なんだかよく分からない。
 えーと、つまり?
「分からない? 寂しいなぁ……功一君をね、ずっと見てたのは澄乃だけじゃないって事よ」
 美奈穂さんは、僕に近づいて……。
「つまり、こういう事」
 キスされた。
 しかも、妙に懐かしい。
「どう? ……ファーストキスの味、まだ憶えてる? 赤ん坊の頃だから、無理かなー?」
「……」
 絶句する僕。
 口をパクパクしている澄乃姉ちゃん。
「童貞は譲ったし、これでおあいこよ、澄乃? それとー、私も可愛がってね、功一君♪」
 美奈穂さんは、はにかむ少女のような笑みを浮かべた。


<一応おしまい>


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